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  [ブランド名]
コスチューム・ナショナル(Costume National)

[解説]
 余計なものをそぎ落としたいわゆる「ミニマルファッション」の典型的なブランドです。着る人を選ぶほどの細身のラインが主流です。立体的で構築的なフォルムはスーツに生かされ、ワーキングウーマンにとっての「勝負服」に当たる「パワースーツ」の有力な選択肢となっています。

 イタリアのデザイナー、エンニョ・カパサ(Ennio Capasa)氏が手がけています。ブランド名は、世界の民族衣装(コスチューム)を集めた写真集のタイトルに由来するそうです。

 「Y's(ワイズ)」ブランドで知られる山本耀司氏の下で働いた経験からか、基調となる色は黒。カッティングやシルエットを重んじるスタイルも山本と共通しています。

 ボディーラインに沿う服が多く、メリハリのついた印象を打ち出せます。特にスリムな女性に向いています。

 細かい裁断のテクニックが随所に生かされていて、タイトでも窮屈ではない、上質のフィット感を実現しています。よく見ると、細かくダーツ(つまみ縫い)や切り替えを施して、微妙な立体感を演出しているのが分かります。

 近年、日本では「美脚パンツ」が人気を呼びました。ポケットやベルトを工夫して腰の位置を高く見せ、相対的に脚を長く見せる仕掛けでした。「コスチューム・ナショナル」のパンツにはウエストの絞り位置を高く設定することなどによって、見た目上、ヒップが高く見える工夫が以前から施されています。

 脇の下の布地を巧みに処理して、バストを立体的に見せる技も採り入れられています。細身の女性でもバストとウエストの差が際立つ仕掛けです。袖回りを細く絞り込んでいるのも「コスチューム・ナショナル」流です。ピッタリと腕にフィットするデザインのおかげで、肩やウエストがさらに強調されています。

 2003年のコレクションではストレッチ素材を積極的に投入し、ボディシェイプの新たな見せ方を試みています。ストレッチレザーのブーツも揃え、全身をスリムに見せるアイテムが増えました。カパサ氏のシャープなシルエットへの執着は時に過剰とも思えるほどです。

 「師匠」の山本氏同様、素材を選び抜く。テキスタイル会社と組んでの新素材開発に余念がない。ぎりぎりまでシェイプを削り込んでもなお女性の「美」を表現するためにはマテリアルの吟味が欠かせません。その高い評価に反して、生産数が比較的少なく値が張る理由の一つは、あくなき素材選びにあるといえるでしょう。素材を重視するあまり、「コスチューム・ナショナル・リュクス(Costume National Luxe)」という別ブランドまで立ち上げてしまったほどです。

 三井物産主導で日本法人が設立され、2003年に東京・青山の路面店がリニューアルオープンされました。希少性の高いブランドですが、流通の仕組みが整ってきたこともあって、これからぐっと人気が出てきそうです。

●ブランドデータ


[本国]
イタリア(ミラノ)

[経営・日本での展開]
 三井物産が2002年、イタリアのCN・インターナショナルとの合弁で設立した日本法人「シー・エヌ・ジェイ」が国内販売を担当。従来の日本法人「コスチュームナショナルジャパン」を引き継いだ。シー・エヌ・ジェイは2003年、東京・青山にある「コスチューム・ナショナル」の路面店をリニューアルオープンさせた。

[歴史]
 エンニョ・カパサ(Ennio Capasa)氏は1960年、イタリア南部、ブーツ形をした半島の踵辺りにある古都、レッチェ市で生まれた。アートを志し、82年、ミラノの美術学校を卒業。その後、アジアを約1年にわたり放浪した。その放浪の旅の最後に訪れた日本で山本耀司氏に会ったことから、カパサ氏の人生はアーティストからデザイナーへと大きく変わり始める。

 ファッションスケッチを見た山本氏の勧めで、83年から約3年間、山本氏のアシスタントを務めた。このときの経験がカパサ氏に卓越したカッティング技術やマテリアルを厳選する目をもたらしたとみられる。東京都内で暮らした間、カパサ氏は山本氏の母の家に下宿していたという。

 「Y's」「ヨウジ・ヤマモト(Yohji Yamamoto)」などのブランドを手がける世界的デザイナーの山本氏は43年、東京都で生まれた。66年に慶応大学法学部を卒業。この年、文化服装学院に入学。72年にブランド運営会社「ワイズ」を設立。77年の第1回東京コレクションに参加した。

 カリスマブランド「コム・デ・ギャルソン」の川久保玲氏と同じく、81年からパリコレクションに参加している。川久保氏とは大学も同じ。ともに黒を主体とするデザインで、82年の「カラス族」現象を生んだ。カッティングと造形に優れた山本氏のデザインは多くの追随者を生んだ。毎日ファッション大賞を86、94年に受賞。2回以上受賞しているのは、山本、川久保(ともに2回)と三宅一生(最多の3回)だけだ。

 ドイツのスポーツ用品大手、アディダスと組んで2002年からスタートさせた、ファッション性の高い高級スポーツウエア「Yー3」は世界中でヒットした。生活雑貨専門店「無印良品」を展開する良品計画の要請を受けて、2003年からデザインに協力している。東急百貨店と組んで立ち上げたブランドに「トランス・コンチネンツ(Trans Continets)」がある。北野武監督の映画「Brother」「Dolls」「座頭市」と3作連続で衣装監修を担当した。

 山本氏の長女、山本里美氏も新進ブランド「リミ・フゥ(LIMI feu)」を率いるデザイナーだ。74年福岡県生まれ。文化服装学院卒業後の96年、父の会社「ヨウジヤマモト」に入社。パタンナーを経て、2000年からブランド「ワイズ・ビス・リミ(Y's bis LIMI)」のデザイナーに。2002年からはフランス語で「火」を意味する「feu」と自分の名前を組み合わせたブランド名「リミ・フゥ(LIMI feu)」に改めた。今後が最も注目されるデザイナーの一人だ。

 カパサ氏はイタリアに戻った後、兄のカルロ氏とともに「コスチューム・ナショナル(Costume National)」ブランドを立ち上げ、87年にデビューを飾った。93年、メンズコレクションをミラノで発表。レディースはパリで発表している。2000年、高級素材を使った限定生産のレディースライン「コスチューム・ナショナル・リュクス(Costume National Luxe)」をスタートさせた。バッグ、靴、アイウエア(眼鏡)などの関連商品も展開している。

[現在のデザイナー]bエンニョ・カパサ氏


[キーワード]
スリム、カッティング、黒、ミニマルファッション、山本耀司


[魅力、特徴]
 近年は黒だけではなく、カラフルな作品も増えています。ただし、細身を得意とするブランドだけに、体型によっては動きにくさを感じる場合もあるので、試着はしっかりした方がよいでしょう。

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